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登録日: 2008.01.20 記事: 2542
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日時: Wed Oct 12, 2022 4:38 pm 記事の件名: 秋めいてきた京都、紅葉の見頃はいつ? 色づきの予想は? 専門 |
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京都市内では先週ごろから気温が下がり、ぐっと秋めいてきた。きょう10月11日には政府の観光支援策「全国旅行支援」も始まり、観光や散策で京都の紅葉を楽しみにしている人は多いはず。今年の見頃はいつ頃か、色づきの予想は。専門家に尋ねた。
京都府立植物園(京都市左京区)の樹木医、中井貞さん(52)によると、色鮮やかな紅葉になるポイントは3つ。適度な降雨(水分)、日照時間、寒暖差だ。
まず、樹木が育つため、春から秋にかけて適度な降雨が欠かせない。乾燥が続くと葉が茶色くなったり縮れたりしてしまう。京都市では7、8月に平年を大幅に上回る降水量を記録したが、中井さんは「根腐れするほどではなく、生育に適した雨だった」と振り返る。
日差しが足りないと色づきがまだら模様になることがあるが、8月以外は平年を上回る日照時間だった。「9月は厳しい残暑が続いたが、10月に入って気温がストンと下がり、秋の涼しさになってきた。これが続けば十分な色づきが期待できるのではないか」
そもそも紅葉の赤色は「アントシアニン」という色素に由来する。最低気温が8度を下回ると葉の付け根にコルクのような「離層(りそう)」ができ、水や栄養の通り道である維管束が閉じられるようになる。そうなると、光合成でつくられた糖分が枝などに行かなくなり、日光を浴びてアントシアニンが生成されて赤く色づいたように見える。5度以下になると色味がぐっと増すといい、今後の昼夜の寒暖差が鍵になる。
ただ、温暖化の影響で、紅葉の時期は遅くなる傾向にある。京都地方気象台によると、標本木の葉の大半が赤色に変わる「紅葉日」は、最も早い記録が11月10日(1976年)、最も遅い記録が12月14日(2015年)。平年値は12月5日だが、この半世紀で2週間ほど遅くなっているという。
大阪管区気象台の3カ月予報(9月20日発表)によると、近畿地方の10月は暖かい空気に覆われやすいため気温は平年並か高いが、12月は寒気の影響を受けやすいため平年並か低い、という。こうした情報を踏まえ、中井さんは「京都市内の見頃は平年並みの11月下旬から12月上旬ごろでは」と予想する。
京都には寺院の庭など紅葉の名所が数多くあるが、一般的に鑑賞される樹木の多くがイロハカエデだ。だが、府立植物園では多様性を“売り”とし、色づくカエデだけで約20種類ある。イチョウをはじめとした黄色の色素の「黄葉」や、ヌマスギなど褐色に変わる「褐葉」の木々を含め、園内では計100種類、約千本が色づく。11月12日〜12月4日にはライトアップを行う予定で、中井さんは「今年は園の公式ツイッターで紅葉の状況を積極的に発信したい」と意気込む。
一方、全国各地の紅葉の見頃を予想する団体もある。一般財団法人日本気象協会は9月29日に今年最初の「紅葉見頃予想」を発表した。京都の52地点など全国764地点の紅葉情報を提供している。
同協会は、独自の計算式を基に各地の気温の観測値や予測値から見頃を算出しているという。近畿の紅葉の見頃はおおむね平年並みとし、嵐山は11月27日(9月29日時点)、永観堂は11月中旬〜11月下旬(10月11日時点)、清水寺は11月下旬〜12月上旬(同)などと予測している。同協会は10月13日に2回目、11月2日に3回目の見頃予想を発表する予定。 |
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