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茂山家の新世代、寿ぎの舞 「茂山狂言会」京都・金剛能楽堂で23

 
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登録日: 2008.01.20
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記事日時: Thu Sep 08, 2022 4:23 pm    記事の件名: 茂山家の新世代、寿ぎの舞 「茂山狂言会」京都・金剛能楽堂で23 引用付きで返信

 茂山家の新世代が大役に挑む。京都の狂言師、茂山千五郎家が春と秋の年2回催す一門最大の催し「茂山狂言会」が23日、京都市上京区の金剛能楽堂(烏丸通中立売上ル)で開かれる。今回は当主・茂山千五郎(50)の長男・茂山竜正(たつまさ)(18)が「三番三(さんばそう)」、茂山逸平(43)の長男・茂山慶和(よしかず)(13)が「千歳(せんざい)」という、狂言師にとって成長の節目となる役を、初めて演じる。神聖な演目「翁(おきな)」の中で、さっそうと舞う役どころで、寿(ことほ)ぎの舞台となる。=敬称略

 竜正は高校3年生。この夏は、三番三の稽古を毎日続けている。稽古は父からの口伝。所作を記した「型付(かたつけ)」と呼ばれる伝書もあるものの、最初は付きっきりで動きを伝授していくところから始まる。代々こうして芸を伝えてきた。

 「翁」は「能にして能にあらず」と言われる特別な演目。翁・千歳・三番三が、天下太平を祈る祝言の舞をそれぞれ舞う。翁はシテ方が担い、今回は京都に本拠を置く金剛流若宗家の金剛龍謹(たつのり)(34)が務める。

 三番三は、笛や鼓に合わせて足拍子を踏む難しさがあり、動きや型も多い。古くから元服ごろになって初めて演じる役とされてきた。当代千五郎も17歳で演じており、息子世代では竜正が初。「プレッシャーはありますが、今後も三番三をやる機会は多いはず。やるからには、やらないと」(竜正)と自覚する。

 三番三の前半「揉(もみ)ノ段」は勇壮さ、後半「鈴(すず)ノ段」は緩急を大切にする。竜正は「父ぐらいの迫力を持ってやれるようにしたい」と話し、千五郎は「私たちも最初の頃は少し舞がずれると訳が分からなくなる経験があった。無事に終わってくれたら」と稽古に熱を入れる。

 一方、千歳に挑む慶和は中学2年生。既に身長が170センチ近くあり、「もう子どもとしてでなく、厳しい目で見られるようになってきているので、その中でも良い舞台を」と心掛ける。父・逸平や祖父・茂山七(し)五三(め)(75)に謡や舞を習い、「千歳はおめでたい舞。観客の方に朗らかになってもらえるように」と思い描く。

 金剛流の「翁」では千歳が面箱持を兼ね、重い面箱を両手に持って登場する。慶和は「自分の部屋でダンベルを使い、肩に筋肉が付くようトレーニングもしています」と笑顔を見せる。

 茂山家の長老格の七五三は「千歳は露払い的な部分もあるので若さを生かした晴れやかな舞を。三番三は、やっぱりおめでたい曲なので、寿ぐような形で務めてほしい」と期待する。
     
 23日午後2時開演。6千〜8千円。学生2千円、小学生千円。茂山狂言会075(221)8371へ。

 ■祇園祭ゆかり「鬮罪人」や鞍馬の「毘沙門」も 

 今回の「茂山狂言会」では「翁」をはじめ、祇園祭ゆかりの狂言「鬮罪人(くじざいにん)」、鞍馬ゆかりの珍しい狂言「毘沙門(びしゃもん)」などを披露する。江戸時代に京都で狂言を伝えた八世茂山久蔵(きゅうぞう)の没後200年を記念する。

 「鬮罪人」は、祇園祭の山の出し物を何にしようかと主人たちが話し合う中、太郎冠者(シテ=主人公)が口を挟み、地獄の鬼が罪人を責める趣向を提案。くじで役を決めると、主人が罪人役になり…という話。

 今年は祇園祭の山鉾巡行が3年ぶりに再開されたこともあり、東西のいろんな狂言の家が「鬮罪人」を各地で上演している。中でも茂山家が京都ならではの味を見せる。シテの太郎冠者を演じる茂山茂(46)は「鯉山や橋弁慶山といった実在の山鉾も、せりふの中に出てくる。演じる方も観客も、祇園祭がどういったものか分かっているので、京都でやると、やはり反応が違います」と語る。主人役は茂山あきら(70)。主人の怒り方が特に激しいのが茂山家の特徴という。

 一方、「毘沙門」は、茂山家でも上演記録がない珍しい演目。鞍馬の毘沙門(シテ)が参詣人に福を与える。シテの茂山千之丞(39)は「祖父(先代千之丞)が録音した毘沙門の謡が残っており、聞くと勇ましく力強い感じ。めでたい雰囲気も出したい」。千五郎の次男・虎真(とらまさ)(18)、三男・鳳仁(たかまさ)(13)が参詣人を務める。

 ほかに狂言「墨塗(すみぬり)」もある。京に滞在していた大名(シテ=七五三)が帰国することになり、別れを告げられた女が涙を流すが、実は脇に置いた水入れの水を、目の下に付けた嘘泣き。太郎冠者が水入れの水を墨に入れ替え、女の顔が墨だらけになっていく展開が見どころ。

 この墨は「実は墨ではなく、草津市の名産アオバナという植物から採った染料なんです」と明かすのは、今回、女役を演じる茂山宗彦(もとひこ)(47)。「やたらと異様な臭いがするので、顔に塗られると、自然と渋い顔になるんです」という。

 茂の長男、茂山蓮(れん)(11)の小舞「京童」もあり、次代を担う息子世代が活躍する。

 没後200年記念の八世茂山久蔵は、江戸時代半ばに二十数年ほど狂言を離れた時期もあったが、京都に大蔵流狂言師がいなくなったため、発奮して稽古場を設けたところ、次第に門弟が集まり、京都の狂言の命脈を保った。

 のちに初代千作となる正乕(まさとら)の養父にあたり、茂山家一子相伝の「秘書・大蔵流大儀大事」を書き残した。「稽古を重んじる実直な人だった」(当代千五郎)とみられ、今の茂山家の役者たちが記念の会で研さんを披露する。
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