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登録日: 2008.01.20 記事: 2538
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日時: Mon Jan 10, 2022 4:02 pm 記事の件名: 幕末維新ゆかり関西の史跡55カ所を紹介 長年の研究成果も解説 |
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霊山歴史館学術アドバイザーの木村幸比古さん(73)=京都市西京区=が、長年研究した幕末維新のゆかりの地を紹介するガイドブック「関西・幕末維新の史跡50選」を刊行した。京都と滋賀をはじめとした2府4県にある計55カ所を選び、解説文では事変の裏側や志士の逸話のほか、近年の研究考察などを取り上げている。
史跡はペリー来航(1853年)から西南戦争(77年)までの年代を中心に、関わった寺社や城、墓所などから選んだ。京都(京都市内14カ所)のうち、「二条城二の丸御殿・六角獄舎跡」では獄舎での事件をつづる。蛤御門の変で攻め込んだ長州兵が志士らを奪還に来るとのうわさが立ち、管理した西町奉行が独断で重罪の37人を斬首した。
一方、新選組が関わる「西本願寺の太鼓楼・不動堂村屯所跡碑」では、西本願寺の古文書に、移転先の地名を示した記述が近年に見つかり、諸説あった同屯所の位置が確定的になったことに触れる。「一力・円山公園」では勤王・佐幕の立場を問わず、藩士や浪士が祇園のお茶屋に通っていたさまが分かる。
京都以外では「金亀公園 井伊直弼銅像」(滋賀、彦根市)を通じ、直弼の評価と像建立をめぐる複雑ないきさつを紹介。福沢諭吉らが学んだ蘭(らん)学(がく)塾「適塾」(大阪)、蛤御門の変に敗れ、自刃した長州兵を弔った「残念さんの墓」(兵庫)などを取り上げる。
木村さんは2020年9月末で霊山歴史館副館長を退いたが、自らのペースで研究や執筆を続けている。「歴史には先人がどのように動乱を生き延びたのか、再生を果たしたのかという学ぶべき実例や物語にあふれている。維新から150年以上が過ぎる中、改めて顕彰・整備された史跡も多い。本を通じて現場を訪ね、先人の生きざまや言葉を体感するよすがになるとうれしい」。淡交社刊。1980円。 |
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