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登録日: 2008.01.20 記事: 2495
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日時: Sat Sep 06, 2014 8:19 pm 記事の件名: 紫式部最古の肖像画、背景に描写 大津の石山寺がX線調査 |
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大津市の石山寺が所蔵している現存する紫式部の最古の肖像画とされる「紫式部聖像」(室町時代)の背景に、漫画の吹き出しのような割り付けで「夕顔」や「玉鬘」など源氏物語の6場面が描かれていることが、寺の調査で分かった。紫式部が同寺で源氏物語の構想を練ったという逸話を連想させる図柄といい、寺は「調査を続け、全容を解明したい」としている。
寺によると、18年前のエックス線調査で、肉眼では確認できないが肖像画の周囲に源氏物語の図柄が書き込まれていることが判明した。一方、緑青(ろくしょう)で描かれた線が黒い地色に埋没したり、色あせたりしてどの場面が描かれているのかは正確には判別できなかった。
調査を続けている寺は昨年12月、県立安土城考古博物館(近江八幡市)に肖像画を持ち込んでエックス線調査した結果、紫式部の左から下にかけて「夕顔」「若菜下」「末摘花」「花宴」「薄雲」「玉鬘」の六つの帖とみられる絵が浮かんだ。紫式部の前に置かれた水の張られたつぼから上がる香煙のような線は、漫画の吹き出しのように6場面につながっていることも新たに分かったという。
肖像画の上部には、「水想観(すいそうかん)に入ると水面に光源氏が現れた」などの内容が漢文で記されており、今回判明した図柄と関連しているという。同寺の鷲尾龍妙副座主は「紫式部が湖面に映える月を眺めて源氏物語を想起したとの逸話とつながり興味深い」と話す。
同肖像画や最新の研究成果をはじめ、「白描源氏物語絵巻断簡」など紫式部にまつわる貴重な資料41点が同寺で開催中の秋季「石山寺と紫式部展」で展示されている。11月30日まで。有料。 |
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