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登録日: 2008.01.20 記事: 2492
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日時: Sat May 20, 2017 6:09 pm 記事の件名: 絶滅バイカモ復活 京都府立植物園、試験栽培で開花 |
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京都では90年以上前に確認されたのを最後に目撃されていないという水草「バイカモ」の花を咲かせることに、府立植物園(京都市左京区)が成功した。十分な日光を必要としながら水温の低い場所でないと生育しないという難しい条件を克服した。青々とした水草の間から、かれんな小さな白い花びらが顔をのぞかせており、来園者の目を楽しませている。
同園によると、バイカモは日本固有の多年草の水草。直径1〜1・5センチの梅に似た白い小さな花を咲かせることから「梅花藻(ばいかも)」と名付けられた。
水温20度以下の日当たりのよい清流でしか生育できないため、全国でも自生している場所が限られている。
近畿では滋賀県米原市の地蔵川が知られているが、府内では大正9年に山科川で採取されて以来目撃された記録がない。「京都府レッドデータブック2015」では絶滅種に指定されている。
同園では10年前、水草の新しい展示を始めるのに合わせ、京都で再びバイカモを生育させようと、府外からバイカモを取り寄せ、試験栽培を開始した。ただ、「水温20度以下」「日当たりのよい」という条件は厳しく、試行錯誤を繰り返したが、なかなかバイカモの生育に適した環境を作り出すことはできなかった。
そうした中、鴨川の水をくみ上げて流している園内の小川に、それより水温の低い地下水を組み合わせてはどうかと発案し、昨年秋に栽培場所に設定。一定の水温と日光を確保するため、小川の周囲に茂る木々を剪定(せんてい)して長さを整えるなどの調整を続け、5月上旬に初めて開花を確認した。
水生植物の担当で、10年前からバイカモの生育に携わってきた同園の企画係長、平塚健一さん(48)は「自然との戦いというと大げさかもしれないが、雨や悪天候など人の手に負えないものがあった。細かい環境の調整に苦労した。でも、いま咲いている花の白と水草の緑のコントラストをみると、ほっとします」と話していた。
同園によると、バイカモは晴れた日の翌日に多くの花を咲かせるという。見頃は6月上旬まで。 |
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