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登録日: 2008.01.20 記事: 2533
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日時: Mon Apr 18, 2016 5:29 pm 記事の件名: 東本願寺で15年ぶり能楽 金剛流宗家が「鞍馬天狗」 |
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能楽金剛流の定期能が24日開かれる。会場の東本願寺(京都市下京区)能舞台で、演能の催しが行われるのは15年ぶり。同寺の大規模修復完了を記念しての「特別公演」だ。流派とゆかりの深い場で、宗家の金剛永謹(ひさのり)が「鞍馬天狗」を務める。
■750回遠忌時は震災で中止
金剛流と東本願寺のつながりは、明治期から。それまで関わりが強かった金春流の能役者が西南戦争(1877年)で死去し、代わって永謹の曽祖父で、名人と仰がれた金剛謹之輔が同寺と縁を結んだという。以降、代々の当主は50年に一度の宗祖親鸞の遠忌法要にあわせて催す能の会で世話役を務めている。
650回遠忌(1911年)の際には金剛流をはじめ、能楽5流の担い手が集い、古式にのっとった式能として2日間にわたって大々的に行われた。永謹も700回遠忌(61年)で初めて出演。2001年の宗家継承披露能で「安宅」を務め、伝統を継ぐ意気を示したのも、この舞台だった。750回遠忌の際も準備を進めていたが、直前に東日本大震災が起きて中止になった。「仕方がないことですが、残念でしたね」
今回の公演は「(東本願寺の能舞台が)長らく使われていない」と後援者から聞いたのがきっかけ。「舞台は使われてこそ状態もよくなる。大改修完了というタイミングになったのも偶然でした」。金剛家の代々が紡いできた深い縁のなせる業かもしれない。
「鞍馬天狗」は、牛若丸(後の源義経)に兵法を授けた大天狗の伝説にちなんだ作品だ。普段の能楽堂と違い、「(屋外に開かれた)大きな空間での上演にふさわしい、華やかな曲」として選んだ。
子方が大勢登場し、花見の場面が繰り広げられる序盤から、大天狗が正体を現し、兵法を豪快に語り聞かせる終幕まで、見どころも多い。「発声は大きな役らしく低くて重く。動きも多く、『舞金剛』らしさの出る曲ですね」。天狗の頭が老体を表す白髪となる「白頭」の小書(こがき)(特殊演出)で上演する。
若宗家の龍謹(たつのり)による舞囃子「高砂」なども。午前10時半開演。金剛能楽堂TEL075(441)7222。 |
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