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登録日: 2008.01.20 記事: 2542
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日時: Thu Jan 26, 2023 7:09 pm 記事の件名: 信長の貴重な朱印、デジタル画像に 京都・松尾大社の秘蔵史料50 |
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織田信長が1577(天正5)年に松尾大社(京都市西京区)の所領を安堵した朱印状など同大社が所蔵する文字史料約500点について、同大社と東京大史料編纂所は26日、デジタル画像データの無料公開を始めた。源頼朝の花押(サイン)がある書状など平安末期から江戸後期の史料で、筆跡から文書の年代を特定したり、文書による紙質の違いを考えたりする研究の進展が期待される。
同大社は701(大宝元)年の創建で、平安京遷都後は王城鎮護の社として天皇家が崇敬した。鎌倉時代以降は頼朝ら武家のトップが信仰したこともあり、朝廷や武家政権との関係を示す文書や神社の行事記録など古代から近代までの史料約2500点が残る。神社史だけでなく、社会史や政治史も考えられる貴重な史料群となっている。
信長の書状にある「天下布武」の朱印は文字の周囲を2匹の龍が取り囲むデザインになっている。信長の朱印は年によってデザインが異なり、現存する天正5年発給の朱印状自体が少ないため、朱印を見られるのも貴重という。データベースでは拡大したりコントラストを調整したりして見ることができる。
頼朝の書状は原本に1196(建久7)年の作成を示す紙が貼られているが、右筆(代筆役)の筆跡から実際の作成年代は10年ほど古いとみられることも分かる。
同大社の史料を活字化した史料集は1976年から順次、発刊されているが、同編纂所と史料の共同研究を進めている野村朋弘京都芸術大准教授(日本中世史)は「活字では省かれてしまう情報がある。今後、紙の性質を科学分析したデータなども併せて公開すれば、さまざまな研究の発展につながる」と強調した。
同編纂所のデータベース「Hi−CAT Plus」で閲覧できる。画像利用は大社への申請が必要。公開史料は今後も追加していく。 |
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