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人間国宝4人そろい、充実の「心中天網島」 大阪「夏休み文楽公

 
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登録日: 2008.01.20
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記事日時: Thu Aug 04, 2022 3:52 pm    記事の件名: 人間国宝4人そろい、充実の「心中天網島」 大阪「夏休み文楽公 引用付きで返信

 文楽には今、人間国宝が4人いる。豊竹咲(さき)太夫、三味線の鶴澤清治、人形遣いの吉田和生と桐竹勘十郎。その4人やベテラン・中堅がそろう近松門左衛門作『心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)』が充実している。大阪・国立文楽劇場の夏休み文楽公演(8月4日まで)の第2部(午後1時半開演)で上演している。


 1720(享保5)年の初演。2カ月前に大坂で起きた心中事件を題材にした。28歳の紙屋治兵衛(かみやじへえ)は、妻子がいながら、19歳の遊女小春(こはる)と深い仲に。しかし、恋敵の男が小春を金で身請けしようとしている。どうすることもできない治兵衛と小春は、次に会う時に心中を約束したが…。


 「河庄(かわしょう)の段」は、ずっとうつむいている小春(人形遣い=勘十郎)が目を引く。後々分かるが、この時、小春は懐中に、愛する治兵衛と交わした起請文(きしょうもん)(誓紙(せいし))と、二人が死ぬ気配を察した治兵衛の妻おさんから内々に届けられた「夫の命を助けてほしい」との手紙を入れている。小春の複雑な胸中を思うと切ない。


 呂勢(ろせ)太夫・清治が北新地の夜のほの暗い情趣を醸し、「魂抜けてとぼとぼ」で治兵衛(玉男)がやって来る。先代玉男と同様、今宵(こよい)が最期とやや小走りで現れ、つまずき、ふっと見上げた顔だけで頭の中が小春で一杯であることが分かる。後半は織(おり)太夫・清志郎。おさんへの義理を立て、真情を明かさずに治兵衛と別れることにする小春の悲痛、何も知らずに激高する治兵衛。女と男の姿が浮かぶ。


 「紙屋内(かみやうち)の段」は、その10日近く後。妻おさん(和生)は、誠実な小春が一人で死ぬつもりだと気付く。命を救うため、自らや子どもの着物を質に入れてでも、治兵衛に小春を身請けさせようとするが…。錣(しころ)太夫・宗助が若い夫婦の無力さ、おさんの悲しみを描く。


 治兵衛と小春は、治兵衛の兄孫右衛門(まごえもん)(玉也)らが心を砕くのと裏腹、心中へ追い詰められる。「大和屋(やまとや)の段」は咲太夫・燕三(えんざ)。夜更けに大和屋の戸を治兵衛が開け、小春が抜けてくる緊迫、震えを語る。「道行名残(みちゆきなごり)の橋づくし」(三輪太夫や睦(むつみ)太夫・團七(だんしち))は死地へ歩く姿を描写。勘十郎の小春、玉男の治兵衛がじっと抱き合う姿が真に迫る。


 『―天網島』が近松の名文ならば、木下順二の民話の世界が楽しめるのが『瓜子姫(うりこひめ)とあまんじゃく』。夏休みの親子向けの第1部(午前11時開演)で上演し、大人も楽しめる。一人で留守番をする瓜子姫の不安、声まねをして近づいてくる妖怪あまんじゃくの浮かれ具合の対照を、千歳(ちとせ)太夫・富助が木下作品独特の語り口で表す。桐竹勘十郎作『鈴(すず)の音(ね)』も上演。不思議な音の出る玉(鈴)を拾ったカッパとキツネの物語は幸せ感がある。水中が見える舞台装置も楽しい。


 第3部(午後5時半開演)は『花上野誉碑(はなのうえのほまれのいしぶみ)』の「志渡寺(しどうでら)の段」を藤(とう)太夫・藤蔵(とうぞう)、呂太夫・清介らが語り継ぐ。父をやみ討ちにされた7歳の坊太郎の病気平癒を、乳母お辻(清十郎)が命がけで祈る水垢離(みずごり)が見もの。清介の三味線が、極限状態のお辻の志を響かせる。最後は『紅葉狩(もみじがり)』を呂勢太夫・錦糸らの掛け合いで。二枚扇で舞う更科姫(さらしなひめ)(一輔)が美しく妖しい。=敬称略
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