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戦後の逸話残る琉球芸能「組踊」 京都・春秋座で人間国宝らが上

 
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登録日: 2008.01.20
記事: 2492

記事日時: Mon May 16, 2022 5:18 pm    記事の件名: 戦後の逸話残る琉球芸能「組踊」 京都・春秋座で人間国宝らが上 引用付きで返信

 終戦の年、1945(昭和20)年のクリスマスに沖縄で復活上演された琉球の伝統芸能「組踊(くみおどり)」の演目がある。長年消息不明だった肉親が再会を果たす物語を描いた「花売(はなうり)の縁(えん)」。江戸時代後期に初演された古典の作品だが、沖縄戦で戦火の中をさまよった多くの観客が、自分たちの境遇を重ねて涙したという逸話が残る。沖縄の日本復帰50年となる今月、京都芸術大・春秋座(京都市左京区)で、人間国宝の演者らを招いて披露される。

 終戦4カ月後の45年12月25日、沖縄県石川市(現うるま市)の小学校の校庭。ドラム缶の上に板を敷き、背景に幕を張っただけの露天の舞台で演芸大会が開かれ、「花売の縁」が演じられた。戦後、初めて復活上演された組踊だった。

 物語の舞台は琉球王国時代の沖縄。首里(しゅり)の下級士族だった夫が貧しさの中、妻子を残し、沖縄北部へ出稼ぎに行ったまま音信不通になる。12年後、妻は子を連れ、夫の消息を尋ね歩く。途中、人生を滋味深く語る老人や猿回しと出会い、その後、花売りとなった夫と再会。夫は落ちぶれた自分を恥じ、慌てて隠れるが、妻が心情を切々と訴え、最後は共に帰っていく―。

 家族愛や人間の情愛を、歌三線(うたさんしん)や笛太鼓の演奏に乗せ、にじませる。約1時間の上演時間。終戦の年のクリスマスに復活上演された時は、会場に詰めかけた5千人以上の観客のざわめきや嗚咽(おえつ)に包まれたという。

 その日の様子を、大野道雄著「沖縄芝居とその周辺」(2003年刊)は「沖縄戦のなかで家族別れ別れとなり、生死すらわからない自分たちの境遇を、人々は組踊のなかに重ね合わせて見たのである。古典が現代に、もっともよく生きた季節(とき)だったかも知れない。これが、戦後沖縄芸能の出発点となった」と位置付けている。

 京都芸術大・春秋座は「琉球舞踊と組踊」の公演を10年前から隔年に開催。田口章子教授の公開講座「日本芸能史」で、組踊立方の人間国宝・宮城能凰(みやぎのうほう)(83)を講師に招いたのがきっかけだった。今回、5月22日に開く6回目の公演で「花売の縁」を上演する。

 歌三線の西江喜春(にしえきしゅん)(81)、太鼓の比嘉聰(ひがさとし)(70)という2人の人間国宝をはじめ、宮城が指導した役者や、奏者たちを沖縄から迎える。

 共催する国立劇場おきなわ(沖縄県浦添市)の金城(きんじょう)真次芸術監督(34)は「沖縄以外で組踊を定期的に見ていただける機会は、京都の春秋座以外にほとんどなく、私たちにとっても貴重な公演です」と語る。

 このほか当日は、明治時代にできた軽妙な喜歌劇「夜半参(やはんめー)」や、祝儀舞踊「かぎやで風(ふう)」などの琉球舞踊も上演する。「琉球芸能の幅広さ、中に宿る沖縄の人情や文化を体感して頂ければ」。琉球の言葉で上演されるが、舞台横には字幕の表示もあり、初心者でも親しみやすい。

 22日午後2時開演。4500円、学生2千円。春秋座075(791)8240。=敬称略
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