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登録日: 2008.01.20 記事: 2533
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日時: Tue Nov 30, 2021 4:40 pm 記事の件名: 京の花形舞踊家3人、谷崎の「細雪」舞う 井上八千代指導、12月3 |
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小説「細雪(ささめゆき)」で京都の平安神宮に姉妹が花見に訪れる名場面を、作者谷崎潤一郎が自ら作詞した「花の段」という舞踊作品がある。京舞井上流では四世井上八千代の振付で1953年から伝えてきた。12月3日に大阪で開かれる「とどけ明日へ 未来へつなぐ日本舞踊公演」(日本舞踊協会主催)では、流派を超えた京都の花形舞踊家3人が当代井上八千代(人間国宝)の指導を受け、「姉妹」として華やかに舞う。
♪都の花は平安神宮、大極殿の紅しだれよの―
「花の段」は「細雪」で描かれた大阪・船場の4姉妹のうち、長女を除く3姉妹が登場。紅しだれが咲き乱れる平安神宮で、春の名残を惜しむ姿を、一中節(いっちゅうぶし)に合わせた優美な舞で描く。
今回の公演は、流派の垣根を越えた顔合わせで、日本舞踊の魅力を発信する特別な企画。次女幸子(さちこ)を若柳吟采(ぎんさい)、三女雪子を花柳双子(そうこ)、四女妙子を若柳佑輝子(ゆきこ)が舞う。いずれも京都を拠点に活躍する踊りの流派の3人が、技法の違う京舞に挑む趣向となる。
吟采は「お師匠さん(八千代)からは『夢の中で舞っているように』と教えていただき、そのように舞えるよう稽古を頑張りたい」と語り、双子は「やればやるほど深い舞。京都育ちの私たちらしい京の雰囲気が出せれば」、佑輝子は「動(どう)と静(せい)ならば普段は動に重きを置いてきましたが、京舞では静が大切だと感じました。その中で華やかさが表せれば」と誓う。
八千代は「桜がいっぱいに咲く中で、舞う3人も花となって、妍(けん)を競って華やかな舞台に」と期待する。
京都関係では、若柳壽延(じゅえん)が弁慶、11月23日に南座で名披露目公演を開く若柳吉亮蔵(きちりょうぞう)が義経を務める「素踊り勧進帳」、井上安寿子(やすこ)の「蛙(かわず)」もある。
国立文楽劇場で午後5時開演。5千円。日本舞踊協会03(3533)6455。=敬称略 |
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