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登録日: 2008.01.20 記事: 2543
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日時: Mon Apr 05, 2021 5:40 pm 記事の件名: 大阪の風物詩「桜の通り抜け」2年連続中止 |
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8日から予定されていた浪速の春の風物詩、独立行政法人造幣局(大阪市)の「桜の通り抜け」が、新型コロナウイルス感染拡大により急きょ2年連続で中止になった。
造幣局の南門から北門まで約560メートルを歩きながら、今年は137品種、336本を堪能できるはずだった。1883年に当時の局長が「局員だけではもったいない。市民の皆さんと楽しもう」と公開したのが始まりとされる。2019年は60万人近くが訪れた。
硬貨の製造を手掛ける造幣局。渡辺さんは大阪で育ったが、入局まで通り抜けを知らなかった。建物修繕などを担う部署(現施設課)に配属され、初めての仕事が桜の木についた毛虫のつかみ取りだった。それから30年。今や渡辺さんが中心となり、害虫を駆除したり、剪定[せんてい]したりしている。18年の台風21号で約50本の木々が被害を受けた風景は忘れられない。
通り抜けは太平洋戦争中と直後を除き続いてきたが昨春、コロナで開催できなかった。その後、3通の手紙が渡辺さん宛てに届いた。「来年あれば見に行きます」「1年間ご苦労さまです」。ねぎらいの言葉がつづられていた。「桜を心待ちにしてくれている人がいると実感した」。手紙は造幣局で保管している。
通り抜けの魅力は「品種の多さ」と語る。開催と開花の時期がぴたりと合うとうれしい。より親しんでもらおうと「今年の花」を選ぶ。「これからどんな品種を入れていくか。課題は山積みで、発展途上なんです」
今年は事前申込制で約4万人を見込み、人の流れをスムーズにしようと検討を重ねてきた。準備は万全だっただけに残念だが、来年に向け気持ちを新たにしている。「みんなが楽しめる安全な通り抜けにしたい」 |
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