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登録日: 2008.01.20 記事: 2538
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日時: Sat Feb 20, 2021 4:55 pm 記事の件名: かつては100人の芸舞妓、滋賀「八幡の花街」を本で紹介 |
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74歳男性が取材し自費出版
江戸時代から昭和中期にかけて約400年間、滋賀県近江八幡市内にあった「八幡花街」。同市北元町の山本晃さん(74)が、茶屋で使われた楽器や当時の街の風景を写真と文で紹介する「艶(あで)やかさを求めて 八幡の花街」を自費出版した。山本さんは「知名度は低いが、奥深い歴史を知ってほしい」と話す。
山本さんは市内の花街の中心部だった池田町2丁目で育ち、実家の一部を関係者に貸していたことなどから実際に使用されたランプや掛け軸、楽器を引き取っていた。だが1994年、引っ越した先が火災に見舞われ、保管していた資料の9割を焼失した。
花街に関心が向いたのは、その後町内の文化祭で花街の写真が展示されたのがきっかけ。山本さんは焼け残った品が、料理茶屋の芸舞妓の写真、芸道具など花街の変遷をたどれる貴重な資料だと知った。
八幡花街の記録は市の前身・旧八幡町史に4ページが掲載されるのみで、市史にはほとんど記述がない。歴史を残す必要を感じ、約10年かけて茶屋の子孫らへの聞き取りなど取材や調査を重ねた。
京都から舞妓らを市内に住まわせて近江商人や権力者を楽しませたり、明治維新のころには市内7軒の茶屋が約100人の芸舞妓を抱えていたり、花街がお茶や和歌といったサロンの役割を果たしていたことも浮き彫りになった。
本はB5判、294ページ。写真や図をふんだんに掲載する。山本さんは「花街があったことを知らない世代に、当時の風情や史実を知ってもらえれば」と話す。市内の図書館に3冊寄贈。1冊4180円(税込み)。山本さん090(7754)6683。 |
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