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登録日: 2008.01.20 記事: 2538
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日時: Sat Aug 22, 2020 4:48 pm 記事の件名: 芸舞妓さん、地元の人を「ごひいき様」に 消えた観光客、地域で |
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浄土真宗本願寺派本山・西本願寺(京都市下京区)近くの旅館。透明なマウスシールドを付けた芸妓が姿を見せると、座敷が一気に華やいだ。あでやかな着物姿で披露された舞は「夏は蛍」と「宇治茶」。涼やかな所作が、集まった客を魅了する。
観光旅館「なごみ宿 都和」は7月下旬から、花街の文化と食事、宿泊を合わせて楽しむプランを始めた。初日は五花街の一つ、宮川町から芸妓の菊弥江さんと、お茶屋「いし初」の石原清子さんを招き、花街の暮らしやしきたりを紹介した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、京都のまちで訪日外国人はほとんど姿を消した。さらに外出を控える動きから、宿泊や宴会需要も蒸発。影響は京都の「おもてなし」を代表する花街にも及び、感染対策徹底のため、従来のスタイルでお座敷遊びを楽しむことも難しくなった。
プランは、おかみの太田佳子さん(53)が、近隣からの誘客のため企画した。京都に住む人も花街との接点は少ないが、関心は高いはず−。狙い通り、初日は大半が地元客で女性も目立った。舞踊公演の中止が相次ぐ花街にとっても、こうした場は貴重だ。石原さんは「知ってもらってこそ伝統文化は残る。感染対策をしつつ、多くの人と接する機会を持ちたい」と願う。
地域に根ざす伝統的な文化や産業も、生活の多様化で需要が細り、近年は観光消費に支えられてきた。コロナ禍を機に、新商品開発や電子商取引(EC)強化など変化を模索する事業者がいる一方、改めて地域でファンを掘り起こそうとする動きも広がる。 |
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